元本を大きく。そのために家計を見直して種銭を作ろう
以前の記事で、複利の恩恵にあずかるためには「とにかく早く」投資をはじめることが大切であるとお伝えしました。
今回はこれに加えてもう1点、大切なことをお伝えします。
■元本を大きくする
複利は、文字通り「雪だるま式」に資産が増えています。
したがって、運用開始時の「元本が大きい」ほど、その増え方も大きくなります。
下のグラフは、元本100万円、200万円、300万円を年20%の複利で運用した場合の資産の増え方を表しています。
元本の大きさによって、増え方に圧倒的な差がつくことが一目瞭然ですね。
20年目の運用額は以下になります。
・元本100万円 → 3,833万円
・元本300万円 → 11,501万円
・元本500万円 → 19,168万円
元本100万円と500万を比べると、0年目(運用開始時点)の差は400万円ですが、20年目ではその差が15,335万円にまで広がっています。
これで元本を大きくすることの重要性をご理解いただけたと思います。
なお、複利における元本は「スノーボール(雪玉)」と呼ばれることもあります。
名立たる有名投資家たちも投資を始めた頃は、労働と節約によってスノーボールを大きくすることに注力していという逸話をいくつも見聞きしたことがあります。
■家計を見直して種銭を作ろう
投資の元本を増やすためには、当然ながらその種銭を作る必要があります。
年収が1,000万円を超えるような高給取りの人は、給料の中から種銭を無理なく捻出できるかもしれません。
しかし、多くの人は、月々の給料から生活費やローンの支払いを済ませると、手元に残るお金はごく僅かというのが実情ではないでしょうか。
給料がどんどん上がってくれれば嬉しいのですが、そういう人は稀でしょう。
転職して年収アップを目指す手もありますが、職種や家庭環境からそれが難しい人もいるでしょう。
ですので、多くの人は、現在の収入の中で「家計を見直して種銭を作る」というのが現実的な選択肢になると思います。
家計は家庭によってさまざまですが、以下はどの家庭にも共通する重要なポイントです。
- スマホ代
- 保険料
■スマホ代
これは家計の見直しにおける最重要項目です。
MMD研究所が発表した「2021年12月通信サービスの料金と容量に関する実態調査」によると、端末代・オプションを含んだスマホ代の平均額は以下となっています。
大手通信会社3社(ドコモ、au、ソフトバンク)と契約している人のスマホ代は、従来プランで平均8,471円、オンライン申し込み専用の新料金プランで平均額は6,345円です。
一方、ここ数年でユーザー数が増えている格安SIM(MVNO)と契約している人は平均3,841円と、大手3社の利用者と比べてかなり安くなっています。
もし、従来プランの人が格安SIMに乗り換えた場合、単身世帯でも月間で4,630円、年間で55,560円の節約になります。
4人世帯なら月間で18,520円、年間で222,240円の節約になります。
もちろん、それぞれのプランで利便性の違いがありますが、外出先で動画を見ない人であれば格安SIMでも特段問題はないと思います。
私自身はSIMカードが2枚挿入できるスマホを購入し、ドコモの通話のみのSIMとMVMOの通信のみSIMを併用することで、スマホの通信費を月間で2,100円程度に抑えています。
■保険料
ひとことに保険といっても、生命保険、医療保険、自動車保険、地震・火災保険など様々なものがあります。
年齢や家族構成、年収などによって必要な補償内容は異なるので「これが正解」とは言えません。
しかし、保険料を安く抑えるポイントはあります。
大企業にお勤めの人
➡「企業の団体保険」を検討しましょう。
スケールメリットで保険料がかなり安く設定されてい場合が多いです。
これを利用しない手はありません。
それ以外の人
➡「ネット型の保険会社」を検討しましょう。
ネット型の保険会社は、店舗や営業担当をもつ保険会社と比べて、営業間接費が低く抑えられため、保険料も安くなっています。
最近のネット型保険会社は、問い合わせ体制もしっかりと整備されているため、何かあった際もすぐに問い合わせすることが可能です。
■まとめ
他にも電力代やガス代など見直すべき費目は多数ありますが、まずはスマホ代と保険料を見直しましょう。
これらを見直せば、家庭によっては年間数十万円の削減効果があります。
5年10年のスパンで見れば、その削減効果は100万円以上にものぼります。
削減した分のお金を株式投資の元本に回すことで、複利の効果は確実に大きくなります。
少しずつスノーボールを大きくしていきましょう。